【完】結婚させられました!?
そんなどこかの王子様みたいな行為に、
胸がキュンキュンして、恥ずかしくて。
「心優が誘うからいけないんだろ……」
「さ、誘ってなんか―――」
慌てて抗議しようとした唇を、またキス
で塞がれる。
「んぅ……っ」
チュ、とリップ音を立てて離れた唇は、
ジンジンと熱を持っている。
「さっき、寂しそうな顔してた。それに
今は、そんな顔赤くして、目ぇ潤ませて
。男の理性の脆さなめてる?」
「理性!?……やっ、そ、その…」
なんて言ったらいいのかわからずに戸惑
っていると、フワッと先輩に抱き締めら
れた。
先輩の優しい香りと体温に、心地よさを
感じて、うっとりと目を瞑る。