【完】結婚させられました!?
そっとココアに口をつけながら、先程の
音夜君の笑顔を思い浮かべた。
なんだ、普通じゃん。
昨日はいきなり元気無くして、ちょっと
怒ってるみたいだったから、心配してた
のに……。
ううん……空元気だね。
音夜君は昔から、いつも笑顔だった。辛
くても、悲しくても、ずっと。
きっと本人は無意識だろうけど、幼なじ
みの私はとっくに気付いてたよ。
さっきの笑顔も、どこか寂しげで。
私のせい、だったとしても、私にはどう
することも出来ない。
慰めることも……。
「はー……憂鬱……」
そう呟きながら口に含んだサラダは、な
んだかちょっぴりしょっぱかった。
「心優」
私を呼ぶ声に、ドキッとする。