【完】結婚させられました!?
か細い声とは裏腹に、私の手首を握るそ
の力は、痛いほどの力を孕んで。
抜け出せない、と思った。
「……気づいてんだろ、俺の気持ち。…
…伝わってるんだろ、ちゃんと」
掠れた、泣きそうな声が胸を締め付けて
、やけに鼓膜を刺激する。
もう、誤魔化せない。
もう、逃げられない。
それなのに。
「……やだなぁ。なんのこと?どうした
の、大倉」
それでもまだ、誤魔化し続けようとする
。無駄な抵抗をしてみる。
それがどんなに残酷で、非情なのか、こ
の前思い知ったハズなのに。
受け止めることすらも残酷ならば、それ
すらも拒絶する私は悪魔だ。
わかってる。わかってるの。