【完】結婚させられました!?




瞬くんは終始ニコニコしながらも、「部
長、強情っすね」なんて最後は諦めたよ
うに言ってから、前に向き直った。



「……心優、ツラいか?」


「ちょ、ちょっとだけ……」



一瞬おさまりかけた気持ち悪さも、山道
を走行しているせいで、またクラクラし
てきた。



だからくねくねしてる道路は嫌なんだ。



「……着くまで、寝てていいから」



先輩はそう言うと、グイッと私の肩を抱
き寄せて、先輩の肩に頭を凭れさせた。



くっついた部分から伝わる先輩の温度が
、気持ちよくて、すぐにうとうとと微睡
んでくる。



視界がだんだんとボヤけてきて、意識が
途切れるその瞬間、ふと。



「こんな無防備な顔、誰にも見せるなよ
……?」



そんな甘い声が、聞こえた気がした。



◆◆◆


「───ゆ……心優!」




< 305 / 419 >

この作品をシェア

pagetop