【完】結婚させられました!?
耳に流し込まれた自分の声に、ハッと目
を開くと、先輩の顔がドアップで映った
。
「わあぁ!?」
「……お前、人の顔見てそんな動揺する
とか、失礼なヤツだな」
あからさまに驚いて、座席から転がり落
ちそうになった私を、呆れたように見下
ろす先輩。
辺りを見回すと、もう森のなかだった。
「着いたぞ」
先輩はそう言うと、私に手を差し伸べて
きて。
その手に掴まりながら、ゆっくりと立ち
上がった。
外に出ると、ここの合宿所の管理人さん
が立っていた。
「香山夏夜(かやまなつや)です。よろ
しくお願いします」
そうニッコリと笑った管理人さんは、大
学生くらいにも見えて。