【完】結婚させられました!?
後ろを振り向けば、弓道着を着た先輩が
微笑みながら私を見ていた。
「先輩、おはようござい……きゃっ!」
思わず小さく叫んでしまったのは、先輩
にぎゅうっと抱き締められたから。
ふわ、とシトラスの香りが鼻腔に届いて
、先輩の香りにくらくらする。
私も、そっと、先輩の背中に腕を回した
。
「会いたかった……心優……」
「……っ」
先輩はまた、そうやって私をドキドキさ
せる。
ドキドキする……。
「わ、私もです……先輩―――……」
そう言うと、先輩がちょっと身体を離し
て、私を見つめた。