【完】結婚させられました!?




悪いです、と言おうとすれば、先輩に遮
られて。



そう。ここには浴場が一つしかなくて、
まさか他の部員と入る訳にもいかず。



じゃあ、とお言葉に甘えて、お風呂に向
かった。



こういう時、女子一人だと寂しい。



ウチの弓道部は比較的練習が厳しくて、
もともと女子には不人気だし、入ったと
しても皆辞めちゃう。



私は先輩が居たから頑張れたけど……。



白濁のお湯につかると、解放感に包まれ
ていく。



こーんなおっきな大浴場、貸し切りなん
てすごい貴重な体験だなぁ。



なんて、思っていたら。



───ガラガラ……



不意に、無遠慮にドアが開けられて。



そこに立っていたのは、腰にタオルを巻
いただけの音夜君だった。



「「え……」」





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