【完】結婚させられました!?
ハモった声。
音夜君は目を見開いたままで、微動だに
しなくて。
ポチャン、と、どこからか聞こえてきた
水音で、やっと止まっていた時間が動き
だしたかのように、音夜君がぱちぱちと
瞬きをした。
それと同時に、完全に停止していた私の
思考もまた、動き出して。
慌てて胸を隠そうとして、お湯が白濁色
だったことに気づき、ホッと胸を撫で下
ろす。
それから音夜君に視線を戻すと、音夜君
は変わらず私を見つめていた。
「……」
「……」
流れる沈黙。
え、ちょっとまって。なんで音夜君、出
ていかないの?
まさか私が見えてないの?
そんなバカな、と思いながら、恐る恐る
口を開く。