【完】結婚させられました!?
「あのー、音夜君?」
「……ん?」
ああ良かった。私の存在に気づいてた。
───じゃなくて!
「いやいや、"ん?"じゃなくてね?どう
かしたの、みたいな態度ですけども!出
てって下さいね?」
「なんで」
「な、なんでって!そんなの私が入って
るから───……」
「アホか、お前」
当たり前でしょ、と言おうとすれば、妖
しく笑った音夜君が、近付いてきて。
そして、躊躇いもなく入ってきた。
それから、後退していく私を追い詰める
ようににじりよってくる音夜君。
そしてついに、壁際まで追い込まれてし
まった。
もう逃げられなくなって、どうしたらい
いのかわからないし、身体を隠してくれ
てるのは、このお湯だけで。
思わず涙目になる私を、楽しそうに見下
ろす音夜君。