【完】結婚させられました!?
それから、みるみる内にその表情を苦く
した。
「お前、心優にキスした……」
それに一番反応したのは、他の誰でもな
い、私で。
その言葉と共に鮮明に脳裏を駆け巡った
あの日のキスに、顔が熱くなる。
「まあ、良いけどな。俺だって何回もキ
スしてるし!」
空気が、凍った。
私はうつ向いたままサアッと青ざめ、先
輩を見れない。
大倉が目を見開いて、音夜君が得意げに
笑ってるのが安易に想像出来た。
また、こいつは。
何事もなかったかのように、サラリと爆
弾を投下するの、どうにかして欲しい。
その矢面に立つのは、いつだって私なの
に。
「澤部、それ、本当か……?」
「違っ……!不可抗力!ていうか音夜君
も、誤解を招くようなこと言わないで!
」