【完】結婚させられました!?
キッ、と音夜君を睨めば、楽しげに音夜
君は笑って。
「照れちゃって可愛いな」
……って、コラ!
だからそんな笑顔でそんなこと言って、
そんな風に頭を撫でないで!
やめて、とその手を振り払おうとすれば
、それよりも先に、その手が払い落とさ
れた。
見上げれば、先輩が音夜君の手を払いの
けていて。
先輩は、音夜君をスウッと目を細めて、
睨み付けた。
「心優に触るな」
そんな先輩に、クスッと笑う音夜君。だ
けどその目は笑っていない。
いつだってそうだ。
音夜君が先輩を見る目は、いつも凍てつ
いていて、私は身動きの取り方を忘れて
しまう。
その瞳を自分が向けられたらと思うと、
怖くて身体がすくんだ。