【完】結婚させられました!?
きっと本気で攻められたら敵わない。
だから普段から、やんわりとかわしてい
るの。出来るだけ、ダメージが消えるよ
うに。
音夜君の切ない顔を、見たくないと、願
うから。
◆◆◆
あれから、大倉はコーチに呼ばれて慌て
て去っていき、音夜君は何事もなかった
かのようにどこかへ消えた。
そして我が弓道部も、練習に励んで。
先輩と、目が合うことは一度もなくて。
そりゃ、練習中に見つめあってたら、そ
れはそれで問題があるけど。
だけどいつも、絶対に一度は目が合って
たのに。
……避けられてる、のかな。
先輩はあまりに無表情だったから、何を
想っているのかも、わからなくて。
胸がキュウッと締め付けられて、泣きそ
うになったからそんな動揺を打ち消すよ
うに、部活に専念した。