【完】結婚させられました!?
こんな、半分のろけみたいなの、きっと
大倉だっていい気分じゃないのに。
私はどこまでも軽率で。こうやって、知
らない内に彼らを傷付けていたのかと思
っていたら。
「……じゃあ、俺に甘えてよ」
そんな言葉が降ってきたと思ったら、ぎ
ゅう、と力強く大倉に抱き締められてい
た。
布越しに触れあう向こう側からは、私よ
りも速い鼓動の音が聴こえてきて。
その音にだんだんと、自分の鼓動の音が
シンクロしていくのがわかって、余計に
恥ずかしくなった。
「ちょ、大倉、離し……」
「ヤダ。滅多にこんなこと出来ねえのに
、そうそう手放すかよ」
大倉はそう言うと、さらに強く、私を抱
き締め。
かすれた声で、呟いた。
「今だけで良いから、俺に甘えてよ。先
輩の代わりにしたっていいから」