【完】結婚させられました!?
「うぅ……先輩ぃ~っ……!」
「ブハッ、すんげー声してんな、お前」
そんな先輩のからかいも今は気にならな
い。
先輩に抱き付きたくてしょうがなくて、
気だるい身体に力を入れて、上半身だけ
を起こして、先輩に抱きついた。
勢い余った私を、先輩はしっかり受け止
めてくれて。
「……ごめんな、心優」
先輩はそう言いながら私の髪の毛に、幾
度もキスを落とした。
「冷たくして、ごめんな。ただの焼きも
ちだったんだ。馬鹿だよな、俺。お前が
鷺沼にもキスされたんだって思ったら、
どうしようもなくムカついて。
隙がありすぎなお前に、ムカついたし、
俺の心優に触れる大倉も鷺沼も恨めしく
て」
そんな隙だらけで危なっかしいお前を、
守るのが彼氏〔おれ〕の役目なのにな。
───先輩はそう言うと、私をジッと見
つめて。