【完】結婚させられました!?

□辛くても、苦しくても。:大倉side





「甘えてよ」なんて。



あの日の俺はどうかしていたんだ。一番
、自分にとって都合の悪い人間の代わり
にすらなろうとして。



そんなんじゃ報われないことも、辛いこ
とも、知っていたのに。



◆◆◆



合宿が終わり、帰宅すると、一足早く帰
っていた瞬が居た。



「おかえりー、兄貴」


「……ん」



俺は短い受け答えをすると、肩から下げ
ていたエナメルを乱雑に放り投げた。



ほんと、疲れた。



「兄貴さー、ラッキーだったね」


「は?なにがだよ」



突然含み笑いをした瞬がそう言うから、
首を傾げる。



こんだけ疲れてんのに、ラッキーもクソ
もあるかっつの。お前の目は節穴か。





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