【完】結婚させられました!?
俺にとって一番の敵とまで言えるであろ
う神崎先輩の"代わり"になろうとしてい
ただなんて。
それでもいい、と本気で心の底から思っ
た、なんて。
甘えてた、と切なそうに、もうどうした
らいいのか路頭に迷ったかのように。そ
れこそ、助けを求めるような瞳と声で。
自嘲するようにそう言われたら、慰める
事なんて、出来なかった。
そんな辛そうにするんだったら。
そんな泣きそうにするんだったら。
俺にすればいいのに。俺は、絶対にお前
を泣かせないのに。
だけど俺じゃダメだって言うなら。俺を
、代わりにしても良いから。
だから、甘えて。
君の温もりを感じられるならもう、それ
でもいいか、と。
あの時の俺は、そんな風に思っていたん
だ。