【完】結婚させられました!?
一度暮れだした日は、あっという間に沈
んで。
会場についた頃には、頼りになるのは提
灯の灯火くらいで。それでも十分な程に
、活気溢れていたけれど。
確かにこれは……、手を繋いでいないと
あっという間に流されてしまう。
だけどそんな人ごみからも、さりげなく
私を守ってくれる音夜君。
なんだか慣れたようなそれに、僅かにチ
クッと胸が痛んで。
「……なんか、女の子の扱い、手慣れて
るんだね」
───気が付けば、そんな事を口走って
いた。
「……え?」
戸惑ったような瞳を向けられて、一瞬た
じろぐ。
だけど一度口から出た言葉は、もう取り
消すことも出来なくて。
それに───。
心のどこかでその問いへの答えを、期待
している自分が居た。