【完】結婚させられました!?
「なんでよ……」
そう呟けば、え、と音夜君は首を傾げて
。
その瞬間、花火のうち上がる音が聞こえ
てきた。
まわりにいる誰もが、その幻想的な夜空
に目を奪われていくから、この世界に、
二人だけのような錯覚に陥る。
だって、音夜君がジッと私を見つめてく
れるから。
揺らぐ。口にするつもりなんてなかった
思いが、込み上げて。
「……っなんでそんなに、優しいの?先
に裏切ったのは、私なんだよ?」
私、最低なんだよ。
自分から提案した約束だったくせに、破
ったのは私だった。
私は忘れていたのに、そんな約束で、彼
をずっと縛り付けていた。
ごめんね……。
「裏切ったって、なにがだよ」