【完】結婚させられました!?
「音夜君、覚えてるんでしょう?あの日
、約束したこと……指切り、したこと」
そう言えば、音夜君の瞳が大きく見開か
れて。
その瞳が僅かに希望の色を馳せるから、
胸がやっぱり締め付けられる。
「……思い出して……くれたの?」
「うん…ちょっとだけ」
「っ心優───「でも!」」
ねえ、お願いだから。
そんなに嬉しそうにしないでよ。
全部、この花火と一緒に吹き飛んでしま
えばいいのに。
こんなモヤモヤ、要らない。
「でも私は……ずっと忘れてた。裏切っ
てた。……最低なんだよ、私。音夜君に
好きになってもらう価値も、ないの」
「心優……」
それにきっと。