【完】結婚させられました!?
その"約束"を覚えていたとして、私は先
輩に惹かれずにいれたのかな。
好きにならずに、いれただろうか。
「ごめんね……。私は忘れていたのに、
そんな約束に縛り付けて……視野を狭く
させちゃったよね」
「……んだよ、それ」
「私よりも音夜君にふさわしい女の子、
きっといっぱい居たのに。ごめんね」
その子達と知り合う、ふれ合うチャンス
を潰したのはきっと私。
酷い後悔が波のように押し寄せてきて、
思わず目を瞑ってうつ向いた瞬間。
「……ふざけんなよ、お前!」
今までで一番、低く、怒鳴り付けられて
。
音夜君はうつ向く私の顔を無理矢理上げ
させた。
「ごめんねじゃねーよ。俺にふさわしい
ってなに?視野を狭くさせちゃったって
なんなんだよ……俺はな、あの約束をす
る前からお前を好きだったんだよ!」
「音夜く……」
「あんな約束なんてなくても、お前をず
っと好きだった、絶対、俺は」