【完】結婚させられました!?




「……何かあったの?心優」



ほんとはもっと遠回しに訊こうと思って
いたのに、口を突いて出たのは、あまり
にもストレートすぎる言葉で。



心優の瞳が、確かに驚きの色を示した。



「なんも……」


「ねえ心優、隠さなくていいんだよ」



誤魔化そうとした心優に、ふ、と微笑む




「───だって、やましいことなんて、
なにも無いんだろ?」



ズルいな、俺は。



こんな風に言ったら、心優が本当のこと
を言わざるを得ないってわかってて、俺
は言ってるんだから。



だけど卑怯だと蔑まれてもいいから、知
りたかった。



心優が抱えてるもの、全部。



心優の瞳が、悩ましげに揺れる。



「……裏切ったのは、私だったんです」





< 381 / 419 >

この作品をシェア

pagetop