【完】結婚させられました!?
ついにやって来た卒業式の朝、どんより
と沈みこむ私に、綺羅ちゃんが呆れたよ
うな表情を浮かべた。
「だってぇ……」
「あんただけよ。そんな世界の終わりみ
たいな顔してんの」
……そんなに酷い顔してんの?
でも、もう学校で先輩に会えるのは、今
日が最後なんだよ?
やっぱり寂しいもん……。
「ほら、シャキッとしなさい!」
見かねた綺羅ちゃんが、私の背中をバシ
ッと叩く。
「そんなんじゃ、気持ちよく先輩も卒業
出来ないでしょ。最後くらい、笑顔で見
送ってあげなさいよ」
別に会えなくなる訳じゃ無いんだから。
と言った綺羅ちゃんに、弱々しく頷く。
そうだよね。卒業してほしくないなんて
ただのワガママ。
それで先輩を困らせるわけには、いかな
いんだ。