【完】結婚させられました!?
私はわかっていなかった。
忘れてしまうよりも。意図的に裏切るこ
との方が、もっと残酷だということに。
◆◆◆
「……テンション低くね?お前」
家に帰ると、やっぱりどんよりする私に
、音夜君がそう言った。
「……仕方ないでしょ」
「先輩が卒業したから?」
「……そうだよ」
だからこんなに沈んでるんだもん。家に
帰ると、余計に寂しくなってくる。
「……ムカつく」
はぁ、とため息をついていると、不意に
音夜君がそう呟いて。
私と向かい合うようにして、座った。
テーブルに突っ伏していた私は、目の前
に音夜君が来たのに気づき、顔をあげる
。
その瞬間───。