【完】結婚させられました!?
『君も陽介が目当て?』
神崎先輩をクイッと顎で指し示しながら
そういったその人に、ちょっとムッとし
た。
"どうせ"っていう言葉が、付けられてる
ような言い方だった。
その人はどこか、嘲笑するように私を見
ていたから。
『……違います。友達に連れてこられた
だけです』
『ふーん?で、どうだった?惚れちゃっ
た?陽介に』
『……惚れるわけないでしょ!』
苛立ちを抑えきれず、少しだけ声を上げ
た私を驚いたように見下ろしたその人。
声をあらげてしまった事に、思わず恥ず
かしくなって俯くと、上からクスクスと
笑い声が聞こえてきた。
『君、面白いね。名前、なんていうの?
』
『……澤部です』