【完】結婚させられました!?
□それがどんな形の愛でも:大倉side
「……大好きだった」
口から出たのは、とても大きな嘘。
大好き"だった"んじゃない。
大好き"なんだ"、今でも。
だけど困ったような澤部を見るのは俺も
辛かった。
それでもいい。それでもいいから好きで
いよう、って。
だけど俺は、澤部を困らせたいんじゃ、
無かったんだ。ただ、好きって伝えたく
て。
募りすぎて行き場をなくした想いを、伝
えてしまいたかっただけだった。
そこからさらに、関係までをも求めるの
は貪欲だと、気付いた。
だから諦める事にした。
だけど、もう少しだけ、好きでいさせて
欲しいと願う。
まだ、忘れるには時間が必要だった。