【完】結婚させられました!?
■最終章:ホンモノ×恋心×幸せ
□迫り来るタイムリミット:音夜side
時の流れは異常に速く、無情だ。
「……っさみぃ……!」
思わずぶるぶるっと凍えて縮こまれば、
リビングに居た心優が小さく笑った。
「音夜君、もう二月なのに布団蹴っ飛ば
して寝てるからだよ」
そう。
季節は巡り、冬真っ只中。もう卒業まで
、1ヶ月もない。
そして、心優と居られる時間も───。
心優は無事に大学進学が決まり、それを
嬉しそうに俺に伝えてきた。
そんな俺に、何もしらない心優は、「音
夜君は卒業後どうするの?」と無邪気に
尋ねてくる。
……答えられるわけもなくて、俺はただ
、曖昧に頷くだけ。
言えるわけが、なかった。
その頃にはもう、日本に居ないだなんて
。