【完】結婚させられました!?
ゆるゆるとどこまでも掴めないようなそ
の人は、なんだか私の苦手なタイプで。
ぶっきらぼうにそう言えばやっぱりクス
クスと笑われた。
『違う違う。下の名前は?』
『別に、教える義理なんてありません』
『酷いなぁー。まあ、知ってるんだけど
ね?心優ちゃん?』
そう名前を呼ばれて、驚いてその人を見
上げればなんてこともないようにニコニ
コと笑っていて。
そんな彼を、僅かに睨んだ。
『どうして私の名前───』
『ん?知りたい?』
ちょこっと小首を傾げてそう訊いてきた
その人に、コクンと頷く。
だってこのままじゃ、なんだかモヤモヤ
してて煮え切らないから、嫌だ。
『それはね───……』
『おい、純』