【完】結婚させられました!?
「俺はどんなズルをしてでも心優を傍に
置いておきたいと思ってたけど、それは
きっと間違ってたんだ」
先輩が、優しく微笑む。
「俺はどんなズルをしてでも、心優に、
幸せになって欲しいんだよ」
愛してるから。
最後に付け足されたそれに、とめどなく
涙が溢れてくる。
これを言うために、どれだけの勇気が、
必要だったんだろう。
どれだけ辛かったんだろう。
「……ごめんなさい!でも、ありがとう
ございます、先輩!」
私は先輩にそう言って笑顔を見せてから
、走り出した。
筋肉が悲鳴をあげてる。
肺が酸素を欲してる。
だけど止まらない。止まったら、駄目な
んだ。