【完】結婚させられました!?
家の前までいくと、丁度音夜君が出てい
く所だった。
間に合った……!
「……っ音夜君!」
「……心優?」
驚いた表情の音夜君に、思い切り抱きつ
く。
「お願い、行かないで……っ」
お願い、だから。
だけど音夜君は、苦しそうに表情を歪め
て、優しく私を突き放した。
「ダメだ。約束だったんだ……父さんと
の。父さんは今、仕事でアメリカに居る
。もし卒業までに心優と付き合えなかっ
たら、父さんの所に行くって───」
「じゃあ行かないで!」
そう叫ぶように言うと、音夜君が怪訝そ
うな表情を浮かべた。
「おい、今、聞いてたか?俺は─……」
「っ好きなの!」