【完】結婚させられました!?
そう叫べば、音夜君の動きが止まり。
そんな音夜君に、爪先を伸ばして、自分
から唇を重ねた。
ちゅ、とリップ音を立てて離れた唇と、
私の頬を伝っていく涙。
「……大好きなの……今、気づいたの」
約束破って、ごめんね。
でももう、よそ見したりしない。
「音夜君と結婚する!だからっ……んぅ
…っ」
どこにもいかないで。───そう言おう
とした唇は、音夜君の唇によって塞がれ
た。
幾度も優しい口付けを交わしてから、離
れていく唇。
それから、音夜君は私を抱き締めた。
「……夢みたいだ」
そんな音夜君は、震えていて。
大丈夫だと言うように、抱き締め返した
。