【完】結婚させられました!?
純さんはそう言うと、"そろそろ俺も戻
らなきゃ"って言いながら去っていき。
一人取り残された私は、ジッと先輩が出
てくるのを待っていた。
そういえば、純さんの名字聞き忘れたな
ぁ、なんて思いながら。
暫くそうしていると。
『キャ―――っ!!陽介くーんっ!!』
なんてかな切り声……いや、黄色い歓声
が聞こえてきて。
そしてまたすぐに、
『純くぅ――んっ!!』
なんて叫び声まで聞こえてきたから見て
みれば、先輩と純さんの姿。
純さんはニコニコと笑顔を浮かべながら
女の子達に手を振っているけど、先輩は
まるで無視していて。
ジッと的を見据えながら、弓を構えた。
その瞬間、さっきまでの騒ぎが嘘のよう
に辺りは静かになって。