【完】結婚させられました!?
一度も染めたことのない髪の毛はサラサ
ラと痛んでなくて、艶があって。
優しい瞳は、切り込んだような二重。
スッと筋の通った鼻。
薄い唇は綺麗な桃色で、女の子の私でさ
えキスしたくなる唇だ。
身長もスラッと高くて、そんな先輩だか
らすっごくモテる。最早先輩が私と付き
合ってるのが奇跡だ。
うっとりと、先輩が告白してくれた日の
事を思い出した。
まだ春風の漂う、5月の初めの頃の出来
事―――。
その日は、どういう風の吹きまわしか、
「告白される」という天変地異でも起こ
ったのか、という出来事に遭遇したのだ
。
相手は隣のクラスの男の子。
私に一目惚れした、って言うんだから、
女の趣味は最悪と見た。
「さ、澤部〔サワベ〕さん!好きです!
付き合ってください!」