【完】結婚させられました!?
なんでわざわざこんなタイミングで、な
んて思いながら、チラッと先輩を見る。
先輩が居るのにもうっ!
「ちょっと今、取り込んでるの……」
『知ってるよ。"先輩"とやらとデートな
んだろ?』
ニヤリ、なんて音がつきそうなくらい意
地悪そうな声。
「知ってるんだったら、なんで……」
『そんなの、心優と彼氏の邪魔をしたい
からに決まってんだろ』
さも当たり前の如くそう言った音夜君に
首を傾げてしまう。
邪魔って、なんでよ。
「そんな無意味な事、どうして……」
『心優が好きだから』
「───……っ!!」
なんの前触れもなしに突然そんなことを
サラッと言われて、強ばる身体。
思わずドキッとしてしまう。