【完】結婚させられました!?
なんなのホントに!どうしてそんな恥ず
かしい事をサラッと言えるのよ!
「も、冗談やめてってば……っ!」
『冗談じゃねぇ。すげえ好きだよ。マジ
で惚れてる』
「……っ!」
もう、もう、もうっ!
なんなのよそのイケメンボイス!なんて
怒りたくなるくらい、ゾクッとするよう
な甘い重低音を流し込んでくる音夜君。
恥ずかしくて、身体が熱くて、頭がくら
くらした。
『それに心優は、俺の愛しい愛しい婚約
者だから、さ』
「だから!婚約は破棄って───……あ
、切れた……」
突然かかってきた電話は、それこそ突然
に切れてしまって。
はぁ、とため息をつくと。
「おい心優。婚約って───……何?」
訝しげな表情を浮かべた先輩が立ってい
て。
隠し事はするもんじゃないなと思いまし
た。