【完】結婚させられました!?
からかわないでください、と消えそうな
くらい小さく呟いた。
その時の心優の顔が真っ赤で。
「心優、可愛い」
そう言えば心優がもっと照れることを知
っていながら。
俺はそんな心優の反応が見たくて、そう
言ってしまう。
───……ただの、杞憂だろう。
心優が鷺沼とどうにかなるかも、なんて
そんなの要らぬ心配だった。
だってこんなにも、目の前の彼女は、俺
を愛しそうに見上げるのだから。