【完】結婚させられました!?
拒絶されるのが怖くて、彼女とちゃんと
向き合う事が出来ない自分にも。
行き場のない苛立ちに、押し潰されてし
まいそうだった。
うじうじと男らしくない情けない自分と
、いつの間にか彼女の心を拐ったアイツ
がウザかった。
───手遅れだなんて、思いたくないん
だよ。
想いを伝えるのが。
勇気をだすのが、手遅れだったなんて。
そんなの。
絶対に信じたくない。例えばもし、そう
だとしたって。───覆す。
彼女が俺を好きだと。愛しているんだと
。依存するくらいに溺れさせて見せる。
だってずっと好きだったんだよ。
初めて彼女、澤部心優を知ったのは、三
歳の時だった。
◆◆◆
「音夜、こちら、お母さんのお友達の子
の、心優ちゃんよ」