Sweet Honey Birthday[完]


お母さんとの相談の結果を、先輩にメールする。

タイトルは《可愛すぎ♪》。

本文は、


《可愛い!元気になりそうですね。 母は、女の子が良いみたいです。 先輩のお家のわんちゃんは、何ていう種類で名前は何なんですか?》


疑問文で締めちゃったけど良かったかな?そんな事を思いつつ、エイッと送信ボタンを押した。

何故だかすごく緊張していたから、送りおわると脱力感に襲われる。


――…緊張した。ひょっとしたら、水泳の大会に出るより緊張したかも…


一人、初めての感情に苦笑いを浮かべるしかない。

先輩はすぐに返信をくれた。


《了解。ゆっくり名前考えとけよ。 家のは、ウエルシュ・コーギーって種類で、名前はセーラ。今度、会わせてやる》


会わせてやるって…、学校以外で先輩と会うって事?!

思わぬ展開に、心臓が早鐘を打つ。

社交辞令かもしれないけど、男の人にそんなに免疫があるわけじゃないし。

こんなに心臓が働くのは初めてだ。死んじゃうかもしれない、どうしよう。

まだ、子犬を貰うまえなのに!

震える指で、なんとか返信を送る。


《セーラちゃんですか! 可愛い名前ですね。 参考にします。 私もいつか、セーラちゃんに会ってみたいです》


今の私には、そう送るので精一杯だった―――……


< 12 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop