Sweet Honey Birthday[完]
「どうした?」
急に聞こえてきた声に顔をあげると、同じ学校の制服を着た男の子が立っていて。
「この子達、捨てられてて…。雨も降りそうだしつれて帰ろうと思って」
「ふーん」
そう言って、彼はダンボールの中を覗き込む。
「まだ産まれたばっかじゃん」
「やっぱり……」
私は動物を全く飼ったことがなかったけど。
何となくそうなんじゃないかとは思っていた。
母犬が近くにいるわけじゃないし、故意に捨てられてたのも明らかだ。
気づかれないように、小さくため息をつく。
このままここに置いていくわけにもいかないし、勢いでも連れて帰るって決めちゃったし。
彼は動物を買ったことがあるのか、
「このまま連れて帰っても、助からないかもな…」
そういって、何かを考え込んでしまった。