Sweet Honey Birthday[完]
先輩は、私があげたドッグタグを見て、すごく嬉しそうに「ありがと。大事にする」そう言って、首に着けていたチェーンにすぐに通してくれた。
「帰ってセーラにも着けとく」
目を細めて、口角がキュッと上がった先輩の笑顔を見て、ジーンと胸が熱くなって涙がなんだか出そうだった。
先輩がくれたプレゼントは、アクアマリンのついた可愛いシルバーブレスレット。
「可愛い…」
キラキラ、キラキラ。
光に反射して、とても綺麗。
早速つけてみようと思ったけれど、どうにも旨くいかない。
悪戦苦闘していると、先輩が「かしてみ?」と言ってくれて。
そっと左手とブレスレットを差し出した。
先輩の髪が頬を掠めて、どんどん顔が赤くなる。
先輩の耳も、真っ赤になっている。
「出来た」
そんな声と共に、顔が離れていって、思わず目があって。
今まで聞いたことないような、優しい、柔らかい声が。