ぱれっと



言えた。

ちゃんと言えたよ。



大好きなキミへ。

私の思いを放つ。




想いがいっぱい詰まっていたはずなのに…








「ごめん。」



頭が真っ白になった。

ごめん。 の一言がリピートされる。

とたんに、目の奥が熱くなるのを感じた。




…ここで泣くわけにはいかない。

ぎゅっと拳を握り締め、涙を堪えた。





しばらく沈黙が続いた

その空気に耐えられなくなった私は、顔を俯かせたまま走って逃げた。



恵介くんを置き去りにして




呼び出したのは私なのに…



ごめんなさい



< 30 / 41 >

この作品をシェア

pagetop