sai
 ネオとは、その時と同じ時間に会う約束をした。もうすぐだ。その時間を楽しみに思いながら、窓を開け、光を浴びる。すると…
 風が吹き、窓の下から、金色の髪が舞い上がった。
「ネオ…どうしてこんな所に?」
窓の下には、ネオが僕の家の外壁に背中を預けていた。
「約束は、3時だったから…」
ネオが、壁にもたれたまま僕を見上げて言った。その姿が、とても可愛い。
その可愛さと、3時まで待つつもりだったらしいネオに、思わず、笑みがこぼれた。
「そんな、気にしなくていいのに…」
「どうして笑うんですか!?」
ネオは、急に立ち上がりながら、恥ずかしそうにそう言った。その勢いにつられ、僕は思わず本音を漏らした。
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