sai
 ネオの言葉が嘘なのは、すぐにわかった。確認が取れていないので、正確には、思った、と言うのが正しいだろう。


 僕は窓を閉めて、僕もネオも玄関に向かった。その短い時間の中で、僕は新たな疑問に悩まされていた。
 昨日いきなり現れた時と、今日の、決定的な違い。

 靴。昨日は、履いていなかった。裸足だった。今日は裸足に、靴として最低限の機能しか有していない、デザインも無い様なシンプルな白い靴を履いていた。

今日の事はいい。普通だ。問題は、昨日。
靴を履いていなかったという事は、やはり…ネオは…
鍵がかかっているのにいきなり現れたから、予想はしていたけれど…
きっと、ネオは今日の為に靴を…
つまり、それはやはり昨日は…
靴を履いている必要が無かった、という事。
もしくは、最初から靴が必要ではなかった、という事。そういう存在である、という事。
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