sai
「おかあさん…おとうさんは、どこにいるの?」
僕は父さんの葬式まで、父さんの病気、父さんがそれに苦しみ自殺した事を、知らなかった。
「なんで、おとうさんのしゃしんのまわりにおはながいっぱいあるの?」

「なんで、おとうさんはこんなにせまいはこにはいってるの?」
そこには、家族3人で撮影した写真と、父さんの仕事道具である聴診器とメスが入れられていた。でも、僕の診察をしてくれていたのは父さんではなかった。父さんは、僕がまだ小さい頃から、2度と僕を診る事はなくなった。
後に、僕が仕事を始めた頃、それは僕の病気が現代の医学では完治は無理で、父さんは、そんな僕を診るのが辛かった、僕の主治医は僕の病気を治す為ではなく、僕が死なない為にいたんだ、と、母さんから聞いた。
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