sai
「なんでおとうさんはつめたいの?」
体温が感じられない体
「なんでおとうさんにひをつけるの!」
火葬
「やだー…っ…ねむっているだけなの!さむいからつめたいの!はやくおうちで、おふろにいれてあげようよ…っ」
周囲の人達の泣く声がした。
「お父さんは煙になって、お空にのぼって、星になるのよ」
理解出来る年齢でなかった。
わかったのは、母さんの震える声。
見えるのは、母さんの長いまつげに溜まった涙。

「やだ…っ」
僕は父さんに駆け寄り、離れなかった。
「やだ…いかないで…」

「父さん…っ」
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