sai
その時から僕は、父さん、母さん、と呼ぶ様になった。

「大丈夫よ、在…お父さんね、在は強いって、最期に…っ」



それが、僕が見た最後の母さんの涙だった。





目覚めると、僕は泣いていた。

誰か こんな僕を
優しく 包んで

ネオ…

「ネオ…?」

不意にネオの名が浮かんだ。どうして…

どうして 心臓の鼓動がこんなに早い
破裂しそうな程に




この気持ち
ネオの頬に触れた時から
触れたいと思った時から





僕の心に 芽生えたこの気持ち

ネオが
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