sai
2.2ヶ月
この地で、僕の最期の夏が始まる。今は、7月の始まった頃。僕の余命はあと2ヵ月らしい。あと1年と知ったあの日から月日は流れ、この地に辿り着いた今、もう2ヵ月しか残っていなかった。
決断には、長い時間を要した。
引っ越しは既に終わっていて、僕が気に入るシンプルな真っ白な美しい家具が、僕の指定した通りに並んでいる。家電もある。ここは日本ではないからテレビがあっても言葉はわからないけれど、好きな映画をDVD鑑賞する為に置いている。CDもある。好きな映画は、愛をインプットされたロボットの少年の旅の話で、好きな曲は、バッハの、無伴奏チェロ組曲第5番 第1曲 プレリュード。
引っ越しは、先に母さんがここに来てやってくれていた。
本当に、母さんには感謝している。
僕が仕事を辞めてここに来る事を、許してくれた。そうなると、母さんは独りになるし、働かなくてはならなくなるし、何より
僕の最期に会えない
「小さい頃から、いつもさみしい思いをさせてごめんね…最期は、必ず…必ず…母さん、在の事見守ってるからね…」
それは、僕が余命を知った日の事だった。
僕だって、最期に母さんに逢いたい。
…僕は
僕は、
…僕は…
決断には、長い時間を要した。
引っ越しは既に終わっていて、僕が気に入るシンプルな真っ白な美しい家具が、僕の指定した通りに並んでいる。家電もある。ここは日本ではないからテレビがあっても言葉はわからないけれど、好きな映画をDVD鑑賞する為に置いている。CDもある。好きな映画は、愛をインプットされたロボットの少年の旅の話で、好きな曲は、バッハの、無伴奏チェロ組曲第5番 第1曲 プレリュード。
引っ越しは、先に母さんがここに来てやってくれていた。
本当に、母さんには感謝している。
僕が仕事を辞めてここに来る事を、許してくれた。そうなると、母さんは独りになるし、働かなくてはならなくなるし、何より
僕の最期に会えない
「小さい頃から、いつもさみしい思いをさせてごめんね…最期は、必ず…必ず…母さん、在の事見守ってるからね…」
それは、僕が余命を知った日の事だった。
僕だって、最期に母さんに逢いたい。
…僕は
僕は、
…僕は…