そんなあなたは先生でした…(下)

「………とりあえず、お部屋を」

吉村さんが促す。

「今回も陽と一緒がいいですっ!!!」

クリスさんの明るい声が聞こえた。

「クリス、それはできないよ」

奏さんが言う。

「why?」

「礼ちゃんがいるからダメだよ。
今の陽は礼ちゃん専属の王子様だからね」


王子様って……


陽はあたしの肩を引き寄せて、
ほっぺに軽く唇を当てる。


「へっ?」


「クリス、こういうことだから」


そう言われたクリスさんの表情は曇っていく。

「クリス様は旦那様のお部屋をお使い下さいませ」


クリスさんは黙って部屋に行った。





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