そんなあなたは先生でした…(下)
伝える言葉
卒業式当日
体育館に行く前に教室に集まる。
「おはよー」
朝の挨拶が飛び交う。
「舞花ちゃん、おはよっ」
「おはよー!
今日、卒業式だねぇ」
「そうだねー…、自覚ないな」
「礼ちゃんも?
実は私も“卒業”って自覚全然ないんだよね」
たぶん、この教室にいる大半がそう思ってるんじゃないかな…。
ガラガラー…
教室のドアが開く。
「みんな、おはよう」
陽が挨拶をすると
みんなバラバラだけど挨拶を返す。
「今日は、みんなの晴れ舞台だぞ。
僕にとって初めての卒業生だからな。
卒業式も君たちらしく、な?」
陽の言葉を聞き、
その後移動をした。
体育館前の廊下、
緊張をしながら出番を待つ。
「卒業生、入場」
マイクを通した先生の声が聞こえた。
同時に入場の音楽と、
あたし達の足も動いた。