O.L.~Maple Honey Syrup~
~鉄壁男 SIDE~



あぁ…憂鬱な月曜日がやってきた。



月曜日は特にシャツを鼻に近付ける回数が増える。



そんな事を思っている今だって。



『よし。未だ柚季の香りがする』
「キモッ!サブッ!」
『何処が?』
「無自覚かよ」



昨日柚季と話した中に登場した六が来た。



「お前は犬か?」
『人間だけど?お前どんな目玉持っているんだよ』



あの子もよくこんなアホと付き合ってる。



コーヒを飲み終えデスクに戻る。柚季のデスクは俺のデスクの目と鼻の先。



だから否応なしに日下部の野郎が視界に入る。



ぶっつぶしてやろうか?



今日も例の如く柚季にべったりだ。



「先輩~」



苦笑いを見せながらもかいがいしく面倒を見る。



そう…俺は柚季の笑顔に一目惚れしたんだ。



―…‥
――…‥
―――…‥



柚季は中途採用だった。人事にいる知り合いが「逸材を発見した」って騒いでいた。



本人は自分の事を「Average」とか言っている。



そんなことはない。



トップクラスの処理能力。ミスのない仕事。応用のよさ。



そして面倒見のよさ…。



何より…可愛い。



何処がAverageなんだよ!今朝だって若い社員が柚季の話しをしていた。



どうしてAverageなんて思うんだよ!!
< 3 / 59 >

この作品をシェア

pagetop