O.L.~Maple Honey Syrup~
少しムッとした表情の一葉が目の前に立った。



「久し振り」
『久し振り…』



驚き過ぎて声が出ない。何から言えばいいのだろう。



「三枝課長から煮詰まってるって聞いて」
『そうなんだ』
「俺ってそんなに頼りない?」
『えっ?』



ふいに抱きしめられ身体が強張ったが、直ぐに温もりに弛緩される。



「俺知らなかった」
『忙しそうだったから』
「凛々の事なら苦じゃないよ」



今気付いた…。



私は一葉が不足していた。もう枯渇していて、身動きが取れなかったんだ。
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